きままなアラカルト

きみと追いかけてゆける風が好きだよ

Sexy Zone LIVE TOUR 2019 PAGES 札幌公演

札幌は特別な公演になった。
私生活で色々あって私の気持ちが忙しかったことも大きくて、すごく心に響いた。


ご当地ラップこと「忘れられない恋~北海道・札幌編~」も秀逸で・・・いや、菊池風磨ずるいよこれは・・・!と頭を抱えた。メロった。
ノルベサの観覧車に乗ったりHILOSHI前に行って余韻に浸ってしまうくらいには興奮が冷めやらなかった。


菊池担当からすると、菊池風磨と書いて夏の恋の代名詞だし、全部君のせいだ。という気持ちが増していく今回のツアーだけど、PAGESコンサートを見てきたなかで気づいたことが風磨くんって黄昏が似合う子だということ。
そして『Cocoa』の風磨くんは子どもみたいに見えたこと。
映像の効果もあるけれど、『Cocoa』を歌っている風磨くんは子どもだった頃の風磨くんが透けて見えるようだし、黄昏時にだけ会える幼い風磨くんの幻を見ているような時間が流れていた。
心地良い夢の中、まどろんでいるかのように今の自分視点の感傷旅行をして、世界全てが魔法に満ちて、初めて触れるもので輝いて見えていた幼い風磨くんを取り出しているみたいだった。

そもそも黄昏って<誰そ彼>が語源で、うす暗くなり相手が誰なのかわからなくなる時間帯であり、<逢魔時>という魔物が出てくる時間帯だったりするわけだから、幼い頃の自分との再会、そんな不思議があってもいいよね、なんて。


「永遠に生きるつもりで夢を抱き、今日死ぬつもりで生きろ」が風磨くんの座右の銘であるように、今を後悔なく生きることを実践して、今を大切にできるからこそ今の連続の過去だって愛せるし、今と過去の連続性が強固だから記憶の中を旅して当時に戻ることだってできるんだろうな。
サマパラでも思ったけれど、時間を巻き戻すこと、時間を操ることは風磨くんの得意技だ。
戻れない、戻ったところで意味を為さないとわかったうえで、今視点だからこそ美しい過去に戻る今を生きる菊池風磨くんって切なくてロマンチストでドリーマーで、パラドックスが起きている不完全で愛すべき人だなって歌う風磨くんを見ていると感じる。


Cocoa』を歌い終わると消えてしまうのは子どもの頃の菊池風磨かな。
そして残るのは大人になった今の菊池風磨なのかな。
なんて考えていると、私たちは他者を認識する時、今ある姿という断片を見て個人を認識しているけど、その人の生まれてから今までの積み重ねは当然のことのように見落としてしまっていることを思い返した。


そんな『Cocoa』って菊池風磨自身を歌っているように聞き取れるけれど、「いつかの夢に描いたような“今”になれていますか? 」は、客席に視線を落とすように、客席に手を向けて歌っていて、自分自身に言ってるのと同時に私たちにも聞いているんだと思うと、この曲は自分の過去を見つめ直しているだけの<閉じた曲>ではなく<開いた曲>なんだと知って驚いた。
コンサートなんだし人に聴かせるために歌っているのは当然だけど、なぜだかびっくりしてしまった。
そして繋がりを求めるところは風磨くんの可愛いところだし、斜に構えていると言うけれど、『20-Tw/Nty-』しかり、心の中に居る素直な自分に従ってストレートに気持ちを歌えることは風磨くんの良いところだし、温かい気持ちにさせてくれる。


こんな風にあれこれと感じられた日は私の気持ちも開いていたのだと思う。
毎回気持ちを開いて聴くことができたらいいけど、受け手である私の体調や気持ち、周囲の環境によってはそうもいかないものだから、この日はとても集中して見れたこと、その意味でも凄く良い日だったな。


あと、黄昏といえば『Twilight Sunset』の風磨くんも凄く好きだった。
そもそも『Twilight Sunset』自体が名曲過ぎるし恋だし、この流れで『make me bright』は愛を乞う切なさが深海まで沈んでいくみたいに苦しいし、こういう思考した形跡とか文脈が読み取れるセトリすごく好きなんだけど。。。これ以上は脱線してしまうのでwそれはさておき。


『Twilight Sunset』の夜に向かって沈みゆく夕陽、黄昏に照らされた風磨くんの横顔から覗く耳たぶがオレンジに染まっているの、1枚の写真みたいで綺麗だった。
札幌2日目夜公演は喉の調子が悪くて、声が出にくかったのもあるかもしれないけれど、いつにも増して辛そうな表情、歌詞も相まって風磨くんは消えてしまいそうで切なくなるし、歌詞と重ね合わせて今ある気持ちも永遠ではないんだよなあと思うと苦しくなって、あの日の公演の『Twilight Sunset』は逼迫していて胸に迫るものがあった。
宮尾俊太郎さんの言うところの「命が削れて、キラキラしたものが見えた」のかも。


それとこの曲の立ち位置が凄く良かった。
4人はそれぞれ少し離れて座っていて、風磨くんはそっぽを向いて、マリウスはあぐらをかいて、勝利は目の前のギターに集中していて、そんな自由な3人をグランドピアノ越しにやさしく見つめるケンティーの表情が印象的だった。
ケンティーはグループでの最年長でフロントマンではあるものの、センターでもリーダーでもまとめ役でもない不思議な存在だけど、生まれも育ちも価値観も違う4人を笑って包み込んでくれるのはきっとケンティーなんだと思うと、すごく良いグループだなあと思って、美しい光景に泣きそうになった。


私はファンになって日も浅いけれど、風磨くんだけに限らず、4人とも去年のツアーから良い意味で変わったなあって今回のツアーで感じてる。
私は変わっていくことを怖いと思ってきたけれど、4人の変わっていくことでさらにきらきらと輝いていく姿を見ていると、Sexy Zoneも歳を重ねて大人になっていくけれど目の前のことに一生懸命取り組んで夢を生きていくなら、私も夢を見ていいのかな?って思えるんだ。


アイドルにこんなにはまるわけがない!と思ってきたから、私史上感情や思考の天変地異が起き続けてて、自分の変化が楽しいよ。